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基礎鉄筋かぶり厚さとして

今回は、<基礎鉄筋かぶり厚さとして>についてお話をします。

もし

基礎の配筋の検査をする前の現場を見学に行く機会が有れば

是非、下記記載の箇所のかぶり厚さをチェックして見て下さい。

または、工務店の現場監督に聞いてみるのも良いですね!

 

下記一枚目の基礎断面図の

「かぶり厚さ60㎜」と記載している箇所と

二枚目の表の

「土に接する部分」の右端の「6cm以上」を見て下さい。

 

【基礎断面図】

 

【鉄筋かぶり厚さの表】

 

上記に記載している通り

基礎の場合は

土に接する部分のかぶり厚さは60㎜以上必要なのです。

建築基準施行令第79条第1項に記載している内容を簡単に書いている表が

上記二枚目の鉄筋かぶり厚さの表の右側の数値です。

つまり

建築基準施行令で定められているにも関わらず

守られていないのです。

 

どの様に守られていないかをそれぞれ説明して見ます。

最初に基礎断面図の下側の60㎜のかぶり厚さの場合は

本来

べた基礎のスラブコンクリートの下の面にも

基礎断面図に書いている様の30㎜の捨てコンを打てば問題は無いのですが

コスト削減の為に

基礎の外周部のみに捨てコンを打つだけにして

スラブの下部の面に捨てコンを打たない現場が殆どです。

 

この為に

インスペクターが検査していた時は

時折、工事がストップして

全てを直させる事が起きます。

 

捨てコンを打たない事に関しては

法的な問題は有りません。

ただ

鉄筋の下に900ピッチぐらいで

60㎜角のサイコロを設置し

かぶり厚さを確保しようとしますが

サイコロの下側は

転圧をした砕石が有るだけです。

つまり

サイコロを鉄筋の下に設置する時とか

特に、生コンを打つ時に

鉄筋の上を歩きますので

どうしてもサイコロが沈んでしまい

かぶり厚さ60㎜が確保出来なくなるのです。

スラブ下全面に捨てコンを打っていれば

下がる事なくかぶり厚さ60㎜が確保できますが・・・・・。

 

次は

基礎断面図の左側のかぶり厚さ60㎜が

確保できていない住宅として

基礎の立ち上がり幅が120㎜の場合です。

実際に基礎立上り内側のかぶり厚40㎜を確保し

その外側に13㎜のヨコ筋、10㎜のタテ筋が来ますので

残りは57㎜になります。

鉄筋が垂直・水平に施工した場合

計算上は3㎜足らなくなります。

ただし

土に接する部分からかぶり厚60㎜確保する為に

タテ筋を内側に入れる事が出来れば問題は無いですが

タテ筋が300ピッチで入っていますので

全てに60㎜のスペーサーを設置する事が出来るでしょうか?

それを施工したとして

そのスペーサーが同じ高さにほぼ設置しますので

コンクリートの強度が下がります。

スペーサーをタテ筋に設置するのではなくて

スペーサーの位置に

タテ筋の外側にヨコ筋を通して

そのヨコ筋にスペーサーを設置すれば解決するかな?

手間を掛ければ解決する方法は有ると考えます。

手間を掛けないで、この3㎜を

たった3㎜の事をグダグダ言うな!って言われるかもしれませんが

最初の鉄筋配筋の方法では

建築基準施行令違反で有る事は間違いないのです。

また

鉄筋のかぶり厚さの表にも記載している通り

布基礎の立上り部分の土に接する部分は40㎜以上あれば良いのですが

べた基礎の場合は

この布基礎の立上りの様な緩和規定?が有りません。

では何故

違反で有る事が分からないのか?

それは、布基礎の延長線上でべた基礎の配筋を考えるからなのです。

 

ここで

一番大きな問題は

新築住宅で基礎配筋検査をする機関は

瑕疵保険の検査機関です。

瑕疵保険の設計施工基準には

ベース配筋のかぶり厚60㎜以上確保する以外の

かぶり厚さを検査する基準が無いのです。

つまり

ベース筋以外の

土に接する部分のかぶり厚さに関してはノータッチなのです。

建築基準施行令で決められていてもです。

凄く矛盾を感じませんか?

 

工務店の考え方の一つに

瑕疵保険の検査に合格するから

問題は有りませんと言われる会社も有ります。

しかし

完全な欠陥住宅なのです。

これを理解していない工務店が多い事に

ビックリします。

手間を少し掛ける事で

欠陥住宅ではなくなるのですから

ほんの少し工夫して欲しいです。

立上りを150㎜にすれば

全て解決しますけどね!

今回は、これで終わります。

 

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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、

ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、

もし不適合事象が有れば、

その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、

不同沈下などの傾きが有れば、

建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、

より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、

お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に

説明するサービスを提供させて頂いています。

ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、

安心とは、不適合事象が無い事で安心。

納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。

住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。

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