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基礎ひび割れ補修として

今回は、<基礎ひび割れ補修として>についてお話をします。

今から中古住宅を契約しようとしている建物の基礎に

ひび割れが有った場合は

売主にひび割れ補修を依頼すると思いますが

愛想良く、すぐ直してくれるのは良いとして

問題は

その補修方法です。

下記の3工法の内の①の

ただ単にひび割れに直接シーリングする方法が多いですね。

本来であれば

ひび割れの原因を追究して

それに合った補修をしなければならない所です・・・・・。

床の傾斜が余り無いようでしたら

②の補修方法を依頼できれば良いですね。

さて

基礎のひび割れ補修方法として

大きく分類して下記の3工法が有り

それぞれを簡単に説明してみます。

 

①Uカットシール工法

専用の電道具で

ひび割れに沿ってコンクリートをUの字に溝を削って行きます。

その後に

主にシーリング材を充填して

最後にモルタル塗りをして表面を整える工法です。

マンションなどの大改修時のコンクリートのひび割れ補修に採用されています。

一般の住宅の基礎のひび割れには

もっと簡易的に

ただ単にひび割れに直接シーリングする方法が多いですね。

 

②ビックス工法

聞きなれない工法名ですが

エポキシ樹脂注入工法と言った方が分かり易いでしょうね。

正式な施工方法を説明しても難しいので

ここでは、シーリング材の代わりに

エポキシ樹脂をひび割れに注入して行く工法です

と説明した方が分かり易いですね。

特徴は

シーリング打ちの様に

ひび割れの表面だけの補修だけではなく

ひび割れしたそれぞれの面の全面を

エポキシ樹脂で接着する感じと考えて頂ければ良いです。

 

③アラミド繊維シート貼り工法

ただ単にコンクリートのひび割れの為だけに

アラミド繊維シート貼り工法は採用しません。

皆さんが良く目にする所と言えば

大きな陸橋等の柱のせん断によるひび割れ部分

貼って補強している所を見られた事が有ると思います。

住宅の基礎のひび割れに

この工法を採用する事は極々稀な事と考えます。

 

費用的な関係は

①Uカットシール工法  ②ビックス工法  ③アラミド繊維シート貼り工法

この中で

私がお勧めなのは、②ビックス工法です。

理由は

ひび割れ面の全面をエポキシ樹脂で接着しますので

鉄筋に湿気が届かなくなり

鉄筋の酸化(サビ)を防ぐ事に有効だからです。

 

ここから、本題と話がガラリと変わりますが重要な事です。

基礎ひび割れ補修方法を紹介しましたが

実際の住宅業界の現状を見てみますと

例えば

中古住宅で既存住宅瑕疵保険に加入する為には

基礎・壁に0.50㎜以上のひび割れが有れば

既存住宅瑕疵保険に加入出来ませんので

加入する為に

基礎ひび割れを補修しなければなりません。

ここでの補修方法のほとんどが

先程の3工法を紹介した中の最も簡易的な補修方法の

ただ単に

ひび割れに直接シーリングする方法での補修なのです。

見える部分の表面だけを補修すればOK。

何かに似ていると思いませんか?

住宅の見える表面だけを調査する「建物状況調査」です。

ただ単に劣化事象の有無を調査するだけでOKと言う所が

全く同じ発想です。

つまり

住宅業界、インスペクション業界に於いて

ひび割れとは

ただ単に一つの劣化事象に過ぎないという考えなのです。

その原因を突き止める事はしないで

表面だけの体裁を良くする補修だけで

中古住宅を流通させようとしている国土交通省。

この様な虫の良すぎる話は通用しないと考えたいですね。

今回は、これで終わります。

 

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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、

ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、

もし不適合事象が有れば、

その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、

不同沈下などの傾きが有れば、

建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、

より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、

お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に

説明するサービスを提供させて頂いています。

ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、

安心とは、不適合事象が無い事で安心。

納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。

住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。

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