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宅建業法改正案に伴う「ホームインスペクションの形」

昨日ブログに記載した、宅建業法改正案に先駆けて、4月1日からジャパンホームシールド㈱が不動産業者に向けて提供開始した「住宅インスペクションサービス」の内容は、住宅購入者の中古住宅に対する不安を払拭させるまでの内容なのか?

◆上記に対しての私見として
 
①住宅診断に対する考え方がそもそも間違っている
私が日頃行っているホームインスペクション(住宅診断)は、住宅の現況の劣化状況を調査する事(検査できる所すべての床・壁の傾斜測定及びクラックの測定を記録)です。そして各部位のその劣化状況にランク付を行ない、早急に直すべきか等を報告書に記載していきます。それをする事で、初めてその住宅の現況がトータル的に分かります。
それに対して、ジャパンホームシールド㈱(今後発表すると思われる瑕疵保険会社のインスペクションの内容も同等であると考えられる)の内容は、既存住宅瑕疵担保保険に入れるかどうかをチェックする為の検査項目が報告書になっているだけです。60項目のチェック項目(A4用紙2枚)に○又は×の判定と特記欄が有るだけ。

②60項目のチェック項目に対して
瑕疵保険に入れるかどうかの検査であれば測定数値を詳細に残す必要は無いが、今回の改正案の住宅診断ではキチッとデーターとして残すべきです。何故なら、既存住宅瑕疵保険に入れる住宅で有れば、瑕疵保険に入ればそれなりの保証が付いてくるが、入れない場合は、どこがどの様に悪いのかキチッと把握出来ないと、その住宅を購入する事を躊躇する可能性が出てきます。
問題は、調査の方法、調査箇所及び記録の仕方を統一させる必要が有ります。また、これを明確にオープンにする必要が有ります。これが出来ないと、この住宅診断の信用性が無くなります。ただ単に絵に書いた餅になってしまう。
(今回の改正案は仲介業者が売主及び買主に対して住宅診断をするかしないかを確認し、もしするのであればインスペクション業者を斡旋する事が義務化になっただけで、住宅診断自体が義務化になった訳ではないのがこの法律の逃げ道?)

③穿った考えとして
現状、既存住宅瑕疵担保責任保険の加入者が非常に少ない。これを増やす事も宅建業法改正案の目的の一つかも。
しかし、床の傾斜基準が6/1000未満になっている事が障壁になっている事は間違いないと思われます。
ここで、このジャパンホームシールドの報告書には、「著しい傾斜」の規定が記載されていない。ここの数値を曖昧にしておきたい事が見え見え?
せめて、著しい傾斜の数値は○/1000以上で、この住宅の最大の傾斜は○/1000ですと誰が見ても分かりやすくすべきです。
ここで、この測定方法を統一する事が必要です。
例えば、レーザーレベルで測定するのかデジタル式の水平器で測定するかで大きな差が出る。また測定する箇所のマニュアルを作成する事も必要。現状は検査員のサジ加減。

④住宅診断の費用について
現状、既存住宅瑕疵担保責任保険の検査費用は、ホームインスペクションの費用より安い。診断の内容と診断時間が違うから仕方が無いです。
しかし、瑕疵保険に入れるかどうかの検査の延長線上と考えるのではなく、「住宅診断」として考えた場合は、¥39,000円~は安すぎるというよりは、「住宅診断」ではないと言い切れます。
また実際の所、2~3時間の診断時間では、床・壁の傾斜測定は、多くて2部屋位しか出来ない。これでは建物全体の傾斜傾向を把握する事は出来ません。つまり、住宅診断とは名ばかりとなってしまいます。

◆結論として
国土交通省の「既存住宅インスペクション・ガイドライン」で提唱しているインスペクションとは、既存住宅瑕疵担保保険に入れる建物かどうかを診断する事が最終のホームインスペクションの形だったのか?これで本当に中古住宅の流通活性化に繋がると考えているのか?

◆希望として
ホームインスペクションの全国統一のマニュアルを作成すべきと考えます。全国統一の検査項目が有っても、測定方法、測定箇所、数値データーの記録の仕方が無い。これは重大な瑕疵と思われます。
測定方法、測定箇所、数値データーの記録の仕方のマニュアルを2018年に改正案が施行されるまでに作成すべきと思います。