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不具合事象と瑕疵との相関関係として

このブログは

住宅診断及び住宅設計を通して知り得た情報を

住宅診断の一環として

住宅を購入または計画中の方が

泣き寝入り(又は後悔)しない様に

注意喚起の為にアップしています。

 

今回は、<不具合事象と瑕疵との相関関係として>についてお話をします。

「住宅診断」などのインスペクションに於いて

色々な判断基準にする数値は

何を元に決めているか?等の

その疑問にお答えする為として

今日のお話は

「品確法」ホンのさわりのお話をしてみます。

因みに

正式な法律名は

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」

平成12年(2000年)4月1日から施行されました。

 

この「品確法」

主に

下記3つの制度について定めています。

①新築住宅における瑕疵担保期間10年の義務化

 「構造耐力上主要な部分」「雨漏りを防ぐ部分」

 瑕疵(工事不備や欠陥など)が見つかった場合について

 引渡し後10年以内に見つかった場合

 売主(または施工会社)が無償補修などの義務化。

ここで重要な事は

略して「住宅瑕疵担保履行法」という法律が

平成21年10月1日に施行した事で

完全な形で買主が保護される事になりました。

下記ポンチ絵①を参照

 

【ポンチ絵①】

 

②住宅性能表示制度(住宅性能評価)

 第三者の専門機関が住宅の性能を評価し

 購入者に分かり易く表示する制度です。

 ただし

 この制度を利用するかどうかは

 売主または買主が決めます。(任意の制度)

下記ポンチ絵②を参照

 

【ポンチ絵②】

 

③住宅専門の紛争処理体制

 住宅性能評価を受けた住宅について

 引渡し後に不具合や欠陥が見つかり売主等とトラブルになった場合

 「指定住宅紛争処理機関」

 紛争処理を依頼できます。(手数料1万円)

下記ポンチ絵③を参照

 

【ポンチ絵③】

 

以上で「品確法」のさわりを説明しましたが

では

実際に既存住宅インスペクションに直接関わるのは

品確法第70条に規定している

指定住宅紛争処理機関による

住宅紛争処理の参考となるべき技術基準になります。

この技術基準

不具合事象の発生構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性との

相関関係について定めています。

簡単に説明しますと

床・壁の傾斜で言えば

3/1000未満の傾斜の場合は

構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い。

3/1000以上6/1000未満の傾斜の場合は

構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が一定程度存する。

6/1000以上の傾斜の場合は

構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い。

と言う様な数値が挙げられています。

ひび割れに関しても同じ様に

基礎のひび割れで言えば

ひび割れ幅0.3㎜未満

構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が低い。

ひび割れ幅0.3㎜以上0.5㎜未満

構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が一定程度存する。

ひび割れ幅0.5㎜以上またはサビ汁を伴うひび割れは

構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い。

に分けられています。

この数値が

既存住宅インスペクションにおける判断基準になっています。

 

今日の纏めとして

この品格法第70条の数値は

あくまでも参考数値です。

例えば

床の傾斜で6/1000以上計測されたとした場合

これが即

瑕疵と判定するかどうか?

これが決定ではないのです。

あくまでも

構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い。

と言うだけです。

因みに

「建物状況調査」の場合は

その技術基準の内

「構造耐力上主要な部分に瑕疵が存する可能性が高い」

傾斜で有れば

6/1000以上

ひび割れで有れば

0.5㎜以上

有無だけを報告します。

しかし

それだけでは買主側としては

ただ単に

瑕疵が存する可能性が高いだけが分かったとして

それが何?・・・・。

その既存住宅を購入しても良いのかダメなのか?

それをどの様に判断すれば良いのか?

分かりませんよね!

だから

買主側(依頼者)が判断しやすいように

Y&Y住宅検査の「住宅診断」で計測方法として提唱している

建物全体の傾斜傾向が分かる様に

建物全体の床の傾斜を計測する事が必要なのです。

建物の傾斜傾向が分かれば

その傾斜の原因も自ずと分かってきます。

どうですか?

「品格法」第70条の技術基準は

不具合事象瑕疵としての可能性が

有るか無いかの基準の元になる数値ですが

だからと言って

この数値が万能ではない事が

ご理解されましたでしょうか?

つまり

建物全体の傾斜傾向を把握しなければ

数値だけが一人歩きをしますよ!

と言う事で

今日のお話は、参考になったでしょうか?

今回は、これで終わります。

 

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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂く住宅診断とは、

ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、

もし不適合事象が有れば、

その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、

不同沈下などの傾きが有れば、

建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、

より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、

お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に

説明するサービスを提供させて頂いています。

ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、

安心とは、不適合事象が無い事で安心。

納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。

住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。

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