Y&Y設計事務所
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耐震補強と既存住宅瑕疵保険として

今回は、<耐震補強と既存住宅瑕疵保険として>についてお話をします。

新耐震になる前の木造住宅を

耐震補強をして

既存住宅瑕疵保険を付保出来る住宅の

住宅診断を実施しました。

住宅診断の依頼を受けた時には

既に契約を済まされていて

念の為に

住宅診断と言うものが有るから

依頼をしてみたら?

と知り合いからの助言で

Y&Y住宅検査に依頼が有りました。

 

住宅診断の結果は

信じられない結果でした。

その項目を列挙して見ます。

①床下に落差10cm程有る地盤陥没

②床下換気口部分が木が腐って?モルタルが爆裂

③人通口の為に基礎部分を斫ったままでサビた鉄筋が露出

④床下基礎立上りに3.0㎜、0.80㎜(横に入っている)、0.55㎜のひび割れ

⑤束石5か所に硫酸化塩が原因の針状結晶によるひび割れ(一部崩壊)

⑥2階和室柱の傾斜が6/1000以上が1か所

⑦計測間距離が3m未満では有ったが、床の傾斜が6/1000以上が1か所

⑧勝手口サッシ取替部分の木枠が外部から丸見え

⑨他に施工不良が多数

ここで

①~⑦に関しては

耐震診断及び耐震補強に関係ない項目なのでしょうか?

この項目の内、劣化に関しては

それなりの係数を入れて耐震診断の計算をして

規定の数値以上になれば

耐震補強工事的にはクリアしている事になります。

クリアしたから

上記の項目を直していないのでしょうか?

結局

この建物の耐震補強工事は

既存住宅瑕疵保険に加入する為だけの

目的で実施された耐震補強工事だったと

解釈すれば、全てがガッテンしますね。

 

因みに

⑤の束石の硫酸化塩が原因の

針状結晶によるひび割れ(一部崩壊)に関しては

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の

劣化事象の項目に入っていません。

劣化事象項目に有る「白華現象」よりも

コンクリート強度に影響が有るにもかかわらずです。

品確法を策定する時に

針状結晶に対する知識が無かったと思われます。

 

⑥、⑦に関しては

既存住宅瑕疵保険加入の為の検査をした検査機関が

瑕疵保険法人だったので見逃されたのでしょうか?

それとも

その瑕疵保険法人の独自の検査方法で

合格になったのかもしれませんね。

 

お客様が最後に言われた事は

耐震補強工事をしているから

既存住宅瑕疵保険に付保出来る中古住宅だから

安心して契約したのですが・・・・・。

 

お客様が言われた通り

耐震補強工事をしているからとか

既存住宅瑕疵保険に加入できる中古住宅だから

安心ではない事がご理解されたでしょうか?

 

この様な事が

表に出て来ないのは

ただ単に

床下・屋根裏に入っての住宅診断を実施していないからです。

建物状況調査では①~⑦迄の項目は出て来ないでしょうね。

 

実際には

この中古住宅の様な劣化事象が分からずに

既存住宅瑕疵保険に加入できる

中古住宅だから安心ですよ!

の営業トークを信じて

日常茶飯事で取引されている事でしょうね。

今回は、これで終わります。

 

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「Y&Y住宅検査」が お客様に提供させて頂くサービスとは、

ただ単に不適合事象の有無を調査するのではなく、

もし不適合事象が有れば、

その原因をより詳しく目視の範囲内で追及し、

不同沈下などの傾きが有れば、

建物全体の傾きなどの傾斜傾向を図面にて表現する事で、

より分かり易く建物の現況を報告書に纏め、

お客様が、安心・納得して購入する事が出来る様に

説明するサービスを提供させて頂いています。

ここでの「安心・納得」とはどの様な意味なのかと言いますと、

安心とは、不適合事象が無い事で安心。

納得とは、不適合事象が事前に分かる事で納得。

住宅診断とは、この二つを得る為の手段だと考えています。

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